2009/12/25

価格波乱の時代続く

金融・経済危機の収束には時間がかかり、変化率が5割を超すような価格波乱の時代は続きます。商品市場にとって昨年の変化は価格の乱高下だけではありませんでした。2004年から5年連続で最高値を更新した原油高騰はついに世界最大の消費国、米国の需要を失速させました。国際エネルギー機関(IEA)は世界の石油需要は25年ぶりに前年を下回ったとみています。

米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題と住宅バブルの崩壊が深刻になって以降、市場の不安は個別の金融機関から金融機能の不全に広がり、昨年後半には実体経済から雇用不安へと波及しました。オバマ米政権への政策期待が高まると同時に、危機と不安は核心へと向かいます。

失業の増加は新興国で政情不安、先進国では社会不安を招きます。昨年後半にタイやギリシャで起きたような混乱の発生リスクは増加します。政情不安は需要国で起きれば一段と需要を冷やす半面、資源国で発生すれば景気低迷下でも供給不安から価格を反騰させてしまいます。当面の懸念はインフレからデフレへと180度転換したものの、2010年の図式は景気悪化→商品安にとどまらない可能性があります。米国の財政悪化を材料にドル売り圧力が一段と強まれば、行き場を失ったマネーが再び商品市場に流入する懸念も否定できません。景気の影響を受けにくく、在庫率も低い穀物には常に天候異変による減産リスクがつきまといます。

価格急落と加速した円高は、海外での食料・資源確保に出遅れた日本勢にとって挽回チャンスとなります。価格変動や需要減少でさえ、企業には従来の値決め方式や過剰設備を見直す好機とも言えます。世界経済が新興国を組み込んで成長していく以上、金融危機が去ってもリスクは残ります。安定から波乱対応型へ早急に変化しなければなりません。

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