2010/01/01

本末転倒の正常化

21世紀は、あらゆるビジネスにおいて「持続可能で循環型であること」がルールになります。世界の誰もが自由競争経済の持続を望んでいます。社会主義の復活ではなく、抑止力の回復です。

問題の本質はウォール街のやり方を単線的に広げた国際金融の強引さであり、世界は成長を続け大不況に陥ることはないと拡大路線をひた走った国際企業の過信でした。実体経済や企業収益と不釣り合いな金融機関の利益を当然視する「金融立国」の論理は破綻しました。実体経済の規模や成長率を大幅に上回る金融資産の肥大や収益率が持続可能なはずありません。金融資本主義とグローバル化の問題です。危機に立つのは資本主義ではなく、グローバリゼーションの有りようです。

米国中心のメカニズムは既に修正が始まっています。互恵・補完関係にある国が集まり、ある程度の「自律的経済ゾーン」を形成しながら、世界不況の回避と成長維持でゾーン同士が連携するでしょう。新しいグローバリゼーションが模索されます。日本はアジアや中東などとも「共生ゾーン」を作り、経済安保の厚みを増さねばなりません。貿易黒字をため込む一方で購買力を実現しない経済大国の国民経済の在り方にも問題があります。世界的な貯蓄・投資の不均衡と赤字国への資金還流を拡大した結果は赤字国だけの責任ではありません。不均衡是正に伴う金融から実体への回帰は正常化の基本です。経済運営の見直しが必至となります。

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